パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「そうだ。あの七海だよ。ほら、この大きな目に強い目力。七海の子供かと思ったよ」


プロデューサーは桜をまじまじと眺める。
奈桜は微動だにせずその場に立ち尽くす。


「でも…」


スタッフの1人が桜をじっと見つめた。


「なんか奈桜さんにも似てません?」


「奈桜?」


プロデューサーは桜から少し離れて全体の顔の雰囲気を見る。


「ほら、この顔の輪郭…それとこの下唇が厚いとことか。全体の雰囲気が奈桜さんに似てる気が…」


「そうそう。僕もそう思って見てたんですよ」


別のスタッフが会話に入って来る。


「そう言われてみればそう見えて来るな。って事は奈桜と七海の隠し子って事か?」


プロデューサーは桜の頭を撫でながら大声で笑った。


桜は…



不安気な顔でじっと立っていた。

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