愛のため息
腕に抱いていたミイにもそれが伝わったらしく、笑うのを止めて俺を見上げる。



眉をハの字に下げた表情はまるで叱られた子供みたいだ。




それを言ったら、また子ども扱いすると機嫌を損ねそうだから言わないけど。




「ミイ、今から俺が言うことちゃんと聞いてよく考えてな?

ミイが望むなら俺はいつでもミイを抱きしめたり、キスしてあげるよ」




許されるならむしろ積極的に手を出したい。




「俺だって健全な男だし、好きな子に触れたいって思ってるんだからさ」



好きな子と言う言葉に反応したミイは、頬を染めて俺を見つめてきた。



「ミイが高校生のうちは手を出さないって決めたことでミイを悩ませるくらいなら、そんな決め事はしないほうがいい」




だけどミイは俺との付き合いに慎重になってるのも事実だ。




だから




「ミイが望むことを叶えたいと思ってる。キス以上を望むなら応えたいし、それが怖いって言うならミイが大丈夫って思える日まで喜んで待つよ」



話をじっと聞いていたミイの瞳が迷うように揺れた。




抱かれたいか、抱かれたくないか。



早い話それをミイに決めさせようとしてるんだから当たり前だ。



「今すぐ結論出して答えたりしなくていいから。ゆっくり考えて決めて」



ポン、と頭に手を置いて軽く一撫でして、体を離した。



< 116 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop