愛のため息
職場では見せたことのないようなキラキラとした目で語る姿に、とても大好きなんだろうなと思ってそう言ったのに。




どうしたわけか田村さんは急にクスクスと笑い出した。





『確かに大好きですけどね?でも大島さんの思ってる好きとは多分違うと思いますよ?』




「・・・どういう意味?」





尋ねても、ニヤニヤして教えてくれず、結局そのまま店を出て、田村さんとその場で解散した。




田村さんの言うことが少し気にはなったけど、解散したら頭の片隅に追いやられ、



ミイは、赤レンガでコーヒーでも飲んでるかな、なんて、ミイの事でいっぱいになり始めていた。




赤レンガの中へ入ると、扉の開く音に反応したミイがカウンター席から入り口を振り返る。




俺と目があって、パアっと笑顔になるミイに、つられるように笑みがこぼれた。




「待たせてごめん」




『ううん、平気』




ミイの隣に腰掛けて、マスターにブレンドを注文した。




『待ってる間ね、マスターとお話させてもらったんだよ』




「へえ、どんな?」




『ん〜?ふふふ』




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