晴い天－アオいソラ－

「これでしばらくは大きな行事ないよな」



片付けを終え、帰り支度をしながら耕平が笑みを含んだ顔で言う。



「あぁ、もうすぐテストだしな」



が、雄介の言葉で一気に現実に引き戻される。



「ほんっっとオマエは嫌な事言うよな。人がせっかく考えない様にしてたのに」


「もっと現実を見ろ」


「大人になりゃ嫌でも現実突き付けられんだよ。せめて未成年のうちはもっと夢見てたいんだよ」


「オマエのそれは夢じゃなくて現実逃避だろ」



耕平の訳のわからない理屈に雄介が呆れた顔をする。



「成績上から数えた方が早い奴にオレの気持ちが分かってたまるかよ」


「オマエの努力不足だろ」


「こちとら、どこが分かんねぇかすら分かんねーんだよ」


「威張るな」


「せやっ！！」



二人のやり取りを見ていた圭吾が何かを思い付いたらしく突然大声をあげる。