あなたへ。
「で、就職は探してるの?なんかいい求人あった?」
あたしがそんな事をぼんやり考えてると、千晶が聞いた。
「えっ…。いや…。う〜ん…。」
あたしは最初、千晶が何を言ったのかわからず、しどろもどろな返事しか出来なかった。
そう言えば、高校を卒業する際にパパとママにアルバイトをしながらちゃんとした就職先を探すと約束をしていたのだった。
そしてそれを、まどかや千晶にも話していた。
このところ、親がその件について何も触れてこないのをいい事に、すっかり忘れてしまっていた。
と言うより、今のあたしの頭の大部分を明で占めている為、他の事は外部に押し出され、そのまま空の彼方に飛んでしまったと言う方が正しい。
何せ、初めての恋愛なのだ。ずっと憧れていた人との。
それしか考えられなくても、仕方のない事だと少しだけ思った。
これがまた、アルバイトも何もせず明ばかり追いかけていたら問題だが、そうではないんだし。
「まさか、まだ探してないとか。しょうがないな、杏子は」
「うん…。ごめん、千晶…」
「いや、あたしに謝る事ないよ」
千晶が苦笑しながらあたしを見た。
確かに今のあたしの身分は明やまどかや千晶の様な学生ではなく、フリーターと言う、なんとも不安定な身分。
労働時間は時給分でしか換算されず、正社員みたいにボーナスや昇給もなければ、社会保険と言った保証ももない。
もし店長が明日にでも「新庄さん、君クビね」と言えばあたしはいとも簡単に無職になってしまう。
明が大学を卒業するまでまだ3年はかかる。それは気が遠くなる程先に感じた。
それまでにあたしが定職に就いて自立しながら、明を支えた方が良いのはわかっている。
「でも今は、ホントに明の事しか考えられないって言うか…。もし明が、東京に行くって言うなら、あたしもついていきたいし…」
あたしの口から吐き出される綿菓子の様にふわふわとした甘い言葉にも、千晶は呆れる事なく耳を傾けてくれている。
「まぁ、それはわかるよ。別にそれを、悪いだなんてあたしは思ってないさ」
そう言ってくれた。
その優しさに、内心ホッとした。
「そう思う?千晶…」
「だって、杏子がホントに明さんの事好きだってわかるもん。まだ付き合ったばっかりだし、それしか考えられなくて当然だと思う」
「それに、就職はもちろんしたいけどさ…。何の仕事をしたらいいかわからないって言うか…」
我ながらなんとまぁ、贅沢な事を言ってるのだろう。
こんな事をママに聞かれたら、張り倒されるに決まっている。
高校3年の時の就職活動だって、面接で何社不採用になったのかわからない。
あの時は何でもいいから、どんな仕事でもいいから就職したいと思い、県内に幾つか店舗を抱えるチェーン店のスーパーマーケットや、これまたチェーン店の老舗菓子店、隣の市にあるこじんまりした工場の事務職…他にもいくつか職種や業種は問わず試験を受けたが、どれもこれも全滅だった。
「そっか。じゃあ何かやりたい事とかないの?明さんと一緒にいる事以外でさ」
「う〜ん…。やりたい事かあ…」
あたしがそんな事をぼんやり考えてると、千晶が聞いた。
「えっ…。いや…。う〜ん…。」
あたしは最初、千晶が何を言ったのかわからず、しどろもどろな返事しか出来なかった。
そう言えば、高校を卒業する際にパパとママにアルバイトをしながらちゃんとした就職先を探すと約束をしていたのだった。
そしてそれを、まどかや千晶にも話していた。
このところ、親がその件について何も触れてこないのをいい事に、すっかり忘れてしまっていた。
と言うより、今のあたしの頭の大部分を明で占めている為、他の事は外部に押し出され、そのまま空の彼方に飛んでしまったと言う方が正しい。
何せ、初めての恋愛なのだ。ずっと憧れていた人との。
それしか考えられなくても、仕方のない事だと少しだけ思った。
これがまた、アルバイトも何もせず明ばかり追いかけていたら問題だが、そうではないんだし。
「まさか、まだ探してないとか。しょうがないな、杏子は」
「うん…。ごめん、千晶…」
「いや、あたしに謝る事ないよ」
千晶が苦笑しながらあたしを見た。
確かに今のあたしの身分は明やまどかや千晶の様な学生ではなく、フリーターと言う、なんとも不安定な身分。
労働時間は時給分でしか換算されず、正社員みたいにボーナスや昇給もなければ、社会保険と言った保証ももない。
もし店長が明日にでも「新庄さん、君クビね」と言えばあたしはいとも簡単に無職になってしまう。
明が大学を卒業するまでまだ3年はかかる。それは気が遠くなる程先に感じた。
それまでにあたしが定職に就いて自立しながら、明を支えた方が良いのはわかっている。
「でも今は、ホントに明の事しか考えられないって言うか…。もし明が、東京に行くって言うなら、あたしもついていきたいし…」
あたしの口から吐き出される綿菓子の様にふわふわとした甘い言葉にも、千晶は呆れる事なく耳を傾けてくれている。
「まぁ、それはわかるよ。別にそれを、悪いだなんてあたしは思ってないさ」
そう言ってくれた。
その優しさに、内心ホッとした。
「そう思う?千晶…」
「だって、杏子がホントに明さんの事好きだってわかるもん。まだ付き合ったばっかりだし、それしか考えられなくて当然だと思う」
「それに、就職はもちろんしたいけどさ…。何の仕事をしたらいいかわからないって言うか…」
我ながらなんとまぁ、贅沢な事を言ってるのだろう。
こんな事をママに聞かれたら、張り倒されるに決まっている。
高校3年の時の就職活動だって、面接で何社不採用になったのかわからない。
あの時は何でもいいから、どんな仕事でもいいから就職したいと思い、県内に幾つか店舗を抱えるチェーン店のスーパーマーケットや、これまたチェーン店の老舗菓子店、隣の市にあるこじんまりした工場の事務職…他にもいくつか職種や業種は問わず試験を受けたが、どれもこれも全滅だった。
「そっか。じゃあ何かやりたい事とかないの?明さんと一緒にいる事以外でさ」
「う〜ん…。やりたい事かあ…」