超モテ子の秘密
…いや、雨は止んでなんかない。
今も雨が地面を叩く音が聞こえている。
でも、私の体に雨はあたっていなかった。
何で――?
私は不思議に思い、泣いてぐちゃぐちゃな顔をゆっくりとあげる。
すると、ギュッと手に握られた傘の柄が見えた。
………誰…なの…?
少しずつ体を起こしながら、目で傘を持つ手から腕へとたどっていく――。
そして、
その先に見えたのは、
キャップを被った小柄な少年だった―――。