超モテ子の秘密


「ちょっ、さやか!お、落ち着いてくれよ。」


陸人が焦って言う。


「あ、ごめん。」


私は照れながらそう言って、ゆっくりと離れた。


「でも、来るなら言ってくれればよかったのに。」


本当にびっくりした。


夢じゃないかと思うくらいに。


「ごめんな。でも、なんか急に会いたくなって…、俺も予定にはなかったんだ……。」


陸人は私と目を合わすことなく話した。


なんか胸がざわつく…。


「……そっか。」


私は、最近しなくなった作り笑いをして繕った。


陸人は恥ずかしがって目を逸らすことはよくあったけど、さっきの表情は、いつもと違った……気がする―――。


…気のせいかな?


きっと気のせいだよね。


しばらく会ってなかったからって、気にしすぎだね。



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