憂鬱姫と俺様王子

城崎くんに連れて行かれた場所は非常階段だった。
少しさびれていて、なんだか不気味な雰囲気。
一人で来るには、ちょっと勇気が必要。

あたしが周りをきょろきょろと見渡していると
「あっ、ゴメンね。こんな場所で。」
と申し訳なさそうに言われた。
それに、あたしも申し訳なく感じて、
「いえいえ!!」
と大げさに首をブンブンと振ってしまった。
そのせいでまた笑われた。
ホント、あたしの馬鹿。

けれど、すぐに何か思い出したかのようにハッとして、
「話の続きなんだけど・・・。」
そう、言われた。






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