嘘つき⑤【-sign-】

廊下から見える大きな窓に星空が輝く。


静かで、綺麗な夜だった。


あんな事が無ければ、夜空は私の心に穏やかな感情をくれたかもしれない。




愁哉さんは知っているのかしら、




見上げた端正な顔立ちは月明かりに照らされて、絵画のように秀麗で表情にはまるで変化がない。


表情が変わる所を見たかったのかもしれない。



彼女の裏切りを伝えたかったのかもしれない。






「愁哉さんは…瑠香姉様を愛してますか?」




だから、無意識に『姉様』と呼んだ私は汚いわね。


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