恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
2階の廊下から見えるのは、北校舎と南校舎の間にある中庭。
自販機が食堂の前に移動になってからは、ぐんと人通りが減って、今は掃除の時間くらいしか行かなくなった。
不思議に思いながらも外を覗き込んだあたしの目に映ったのは。
「あ……、」
いつも誰もいない中庭。
そこからあたしをじっと見ていたのは……朝会った、杏子さんだった。
どうして杏子さんがいるのかも、あたしを待っているのかも分からない。
だけど、偶然だとしても、あたしを見ている杏子さんをそのまま無視するのも失礼な気がして、とりあえず階段を下りる。
けど。
その途中で、一度だけ足を止めた。
朝、藍川と話してた雰囲気だとか会話の内容からして、杏子さんもヴァンパイアだ。
それを考えると、行く事を戸惑う。