恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


ヴァンパイアって意味を、きちんとは受け入れられていなかった小学生の頃。


『そっか。紫貴くんはヴァンパイアなんだ』なんて、ただなんとなく紫貴を受け入れた、小学校の頃。


だけど、成長した今なら、それがどれほどの事だか分かる。

だからこそ、向き合う事に、受け入れる事に勇気が必要だった。


小学生の頃みたいな漠然とした受け入れじゃダメだと思ったから。

きちんと、紫貴自身を受け入れてあげたいと思ったから。


そうじゃなきゃ、紫貴はいつまで経ってもひとりぼっちのままだ。

あのキレイな紫色の瞳を、どこか寂しそうに揺らすのは、見たくない。


そう思っていても勇気が出なくて、甘えていたあたし。


事件は、そんなあたしを見透かしているかのようなタイミングで起こった。





< 238 / 343 >

この作品をシェア

pagetop