恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
ヴァンパイアって意味を、きちんとは受け入れられていなかった小学生の頃。
『そっか。紫貴くんはヴァンパイアなんだ』なんて、ただなんとなく紫貴を受け入れた、小学校の頃。
だけど、成長した今なら、それがどれほどの事だか分かる。
だからこそ、向き合う事に、受け入れる事に勇気が必要だった。
小学生の頃みたいな漠然とした受け入れじゃダメだと思ったから。
きちんと、紫貴自身を受け入れてあげたいと思ったから。
そうじゃなきゃ、紫貴はいつまで経ってもひとりぼっちのままだ。
あのキレイな紫色の瞳を、どこか寂しそうに揺らすのは、見たくない。
そう思っていても勇気が出なくて、甘えていたあたし。
事件は、そんなあたしを見透かしているかのようなタイミングで起こった。