恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
『紫貴、顔色悪いよね。ここ最近ずっと』
『ああ。暑さは少し苦手なんだ。
けど、くるみは心配する事ないから』
あたしの心配を取り除こうと微笑んでくれる紫貴は、少しつらそうで。
それを見て、きゅっと閉じていた口をゆっくりと開いた。
『……ね、紫貴。あたし、くるみって名前なんだけどね』
そう話し出したあたしを、紫貴は『今さら何言ってるんだ』って目で見ていた。
こういうクールなところは、昔も今も変わらない。
『小学校の頃、バカにされた事があるんだ。
ほら、あたし学級委員だとかやってたし、男子を注意する機会とかも多くかったから。
その度に『頭も身体も固い桃井』ってバカにされて。
体育の柔軟とか苦手だったから、そういうのこめて言われてたんだけどね』
『知ってる。バカにしてたのは斉藤だろ?』