恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―
『でも、引き取られてよかった』
『なんで?』
『くるみに会えたから』
紫貴は案外恥ずかしい事でもさらっと言えるみたいで、そんな言葉をかけられる度に胸が高鳴った。
『好きだ』
『くるみがいてくれれば、俺はそれだけでいい』
そんな甘い言葉を掛けられるたびに……、ううん。
ただ名前を呼ばれるだけでも、その度に紫貴への気持ちは大きく確かなモノになっていった。
それでも、あたしを、あたしの血を求めようとしない紫貴。
我慢できなくなって自分からそれを言葉にしたのは、中学3年の夏休みの終わりだった。
おじさんとおばさんが仕事に出かけてるお昼過ぎ。
紫貴の部屋で夏休みの宿題を見てもらっていた時、切り出した。