恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―


殴りかかってきてもおかしくないような態度をとる深山くん。

女子生徒は悔しそうな表情を浮かべながらもカバンに手を入れる。


「ちょっと待ってっ。お金で解決するのはあまりよくないよ。

せめて学食おごるとか、ジュースおごるとか、」

「副会長には関係ねーだろ。つーか、なんでいんの? 藍川は?」

「……藍川? なんで?」

「副会長って藍川のお気に入りだろ。いっつも藍川がガードしてんじゃん」

「は?」

「ほら、去年副会長コンビニ店員のキモ男にストーキングされてたじゃん」


……村田さんの一件は、結構周知の事実なのかな。


「あれ追い払ったの、藍川だろ?」

「え、」

「斎藤が言ってた。コンビニの裏で締め上げてたって」

「藍川が、村田さんを……?」

「そー。でも不思議な事にさ、それを見てた奴が斎藤の他にも何人もいたのに、斎藤以外誰も覚えてないんだよなー。

それにコンビニ店員も警察にも言ってねーみたいだし。気味わりーって斎藤が言ってた」


「俺はダチだからとりあえず信じてるけど」と笑った深山くんが、じりじりとこっちに近付く。



< 44 / 343 >

この作品をシェア

pagetop