風紀委員長ミーシャの事件簿
ハッとしたように私を見るラインハルトさん。

ややあって。

「全く」

仮面の庇越し、僅かに覗く目が細まるのが見えた。

「女の子なのに気が強いとは思っていたが、まさかここまでとはな」

それは言い換えれば、私の参戦許可のようにも聞こえた。

ラインハルトさんは抱きしめていた私の体を離す。

こんな非常時でなければ、もっと長い時間抱きしめていて欲しかったような気もするが。

「ミーシャ、僕が合図したら障壁を解除してくれ」

「…!…しかし障壁を解除すれば悪霊の攻撃が…」

「大丈夫」

彼は素早く複雑な『印』を組む。

「我に秘策ありだ。秘策って言うほどでもないけどね」

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