風紀委員長ミーシャの事件簿
「ふぅっ…」

ラインハルトさんがガクリと膝をつく。

「ラインハルトさん!」

私は彼に駆け寄り、疲れ切った体を支えた。

「大丈夫ですか?どこか怪我は!」

「いや、大丈夫…少し魔力を使いすぎただけだ…」

彼は身に纏った甲冑を解除して、ようやく笑顔を見せた。

「天空宮警備騎士団に入ってしばらくになるけど、こんな手強い相手は初めてだよ…上には上がいるものだ」

「でも」

私もまた、微かに微笑んだ。

「その手強い相手に勝利したんですもの。ラインハルトさんの方が上だったという事ではありませんこと?」

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