Flight with u
珍しく目覚ましが鳴る前に目が覚めた。こんな日もあるんだなぁ・・・と1人つぶやいてベッドから出る。さすがに、飛び出して休んでの後だから学校に行くのは勇気がいったけれど、今日行かなかったらきっとずっと行けなくなるだろう・・・そんな気持ちになって私は自分を奮い立たせた。制服に着替えまだ眠っている母さんに小さく
「いってきます。」
と声をかけて重い足取りで家を出た。
教室に入った瞬間、一斉に視線を投げかけられたけれど、あっという間にもとのにぎやかな普段の風景に戻った。私は、クラスメートの事なかれ主義に軽く感謝しつつ自分の席についた。荷物を机の中に入れていると声をかけられた。
「前島さん♪」
視線をあげると、同じクラスの今井詩穂だった。たぶん、話すのは今日が初めて・・・。
「なに?」
「吉崎浩志って知ってる?」
「!!」
動揺して筆箱を落としてしまった。笑顔でそれを拾って渡してくれる詩穂。まさか、詩穂から浩志くんの名前を聞くなんて思ってもみなかった。すぐに浩志くんの言葉が蘇る。
(あぁ・・・従姉妹って詩穂のことだったんだ。)
「昨日ね、浩志くんがうちに電話してきて『前島せれん』って子知ってる?って。」
「そうなんだ。トモダチの彼氏のトモダチ?って感じで、知り合いっていうか・・・まぁ。」
「バイト先で見かけてびっくりしたって言ってたよ。」
「うん。私もびっくりした。」
「だよね♪」
初めて話すのに、人懐っこい笑顔で話しかけてくる詩穂に最初は戸惑っていたけれど、ふと見せる落ち着いた雰囲気に私の心も少しずつほぐれていた。放課後、いつものように1人で教室を出ようとした私を追いかけて
「一緒に帰ろうよ♪」
と笑顔で言った。
「私ね、ずっとせれんに興味あったの♪話してみたいなぁってね。」
(いきなり、呼び捨てですか・・・ま、いいけどね。)
浩志くんがきっかけで、一匹狼になっていた私にもトモダチができた。1人でもトモダチと呼べる存在がいると学校に行くのもさほど苦痛じゃなくなってくる。放課後だって、禁止されているファーストフードでおしゃべりなんてこともできるようになったし。ある意味、普通の高校生になれたのかもしれない・・・。
「いってきます。」
と声をかけて重い足取りで家を出た。
教室に入った瞬間、一斉に視線を投げかけられたけれど、あっという間にもとのにぎやかな普段の風景に戻った。私は、クラスメートの事なかれ主義に軽く感謝しつつ自分の席についた。荷物を机の中に入れていると声をかけられた。
「前島さん♪」
視線をあげると、同じクラスの今井詩穂だった。たぶん、話すのは今日が初めて・・・。
「なに?」
「吉崎浩志って知ってる?」
「!!」
動揺して筆箱を落としてしまった。笑顔でそれを拾って渡してくれる詩穂。まさか、詩穂から浩志くんの名前を聞くなんて思ってもみなかった。すぐに浩志くんの言葉が蘇る。
(あぁ・・・従姉妹って詩穂のことだったんだ。)
「昨日ね、浩志くんがうちに電話してきて『前島せれん』って子知ってる?って。」
「そうなんだ。トモダチの彼氏のトモダチ?って感じで、知り合いっていうか・・・まぁ。」
「バイト先で見かけてびっくりしたって言ってたよ。」
「うん。私もびっくりした。」
「だよね♪」
初めて話すのに、人懐っこい笑顔で話しかけてくる詩穂に最初は戸惑っていたけれど、ふと見せる落ち着いた雰囲気に私の心も少しずつほぐれていた。放課後、いつものように1人で教室を出ようとした私を追いかけて
「一緒に帰ろうよ♪」
と笑顔で言った。
「私ね、ずっとせれんに興味あったの♪話してみたいなぁってね。」
(いきなり、呼び捨てですか・・・ま、いいけどね。)
浩志くんがきっかけで、一匹狼になっていた私にもトモダチができた。1人でもトモダチと呼べる存在がいると学校に行くのもさほど苦痛じゃなくなってくる。放課後だって、禁止されているファーストフードでおしゃべりなんてこともできるようになったし。ある意味、普通の高校生になれたのかもしれない・・・。
