アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
次の日 私は音羽さんの見舞いに出かけた。


 なぜ?


音羽さんに戦いを挑む?


キレイに化粧をして
長い髪の毛をきれいに巻いた。



 嫌な女・・・・・


私の胸のうちを人が知ったら
きっと軽蔑するだろう……

病気でやつれた音羽さんに
若く健康な私が
甲斐の婚約者として何を話す?



エレベーターを降りた私の前を
白衣の甲斐が歩いていた。



 音羽さんのとこに?



私の心臓がドキドキする。



甲斐は予想通り音羽さんの
部屋に吸い込まれた。



私はまた 疎外されたように
特別室の前のイスに座った。



部屋から二人の笑い声が聞こえてきた。
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