アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋

孤独と引き際

「どうだ?今日は?」


「もう元気いっぱいだよ。
早く退院したいんだけど~」



「おまえさ・・・少し休めよ。」



「何言ってんの?悪い病気じゃないんだもん
生活のために頑張らないとさ。」



「なんだよ。
あんなに泣いたくせして
可愛かったよな~おまえの泣き顔」



「うっさい!!
病気で気分が滅入ったんだってば~
忘れていいよ。
もう一人で大丈夫なんだから~」



「利用してんのか~
あはは・・・・」


二人の楽しそうな掛け合い



「またね…歌唄いたいんだよね。
音色がもう少し大きくなったら
クラブとかで歌おうかなって…」



「いいね~
だけど子供を夜一人にするのは
絶対反対だな。
それならうちにいればいいよ。」




「夢だよ…夢……」



「俺も聞きたいな・・・・
おまえの歌・・・・・・。
退院したら俺ギター弾くから
あの頃みたいに一緒に歌ってみるか?」



「うふふ・・・・
なつかしいね~~
うちらの夢だったよね・・・・・。
あの時別れなかったら・・・
夢は叶っていたのかな……」



音羽さんの言葉に
甲斐の答えは聞こえなかった。
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