携帯小説的恋
「あ、玲、遅いじゃない! もう、練習始まってるよ」

マノさんはその声に立ち上がると、階段をグランドのとこまで下りていった。

マノさんを『姉さん』と呼んだ男性と二言三言、言葉を交わすとマノさが戻って来た。

「あ、ごめんね。

あれ、あたしの不肖の弟、玲です。

今日は新人が二人も入るから、助っ人に呼んだの。

でも、あいつ、朝弱いから……」

「カタギリレイ……」

あたしの横で小さく呟く声がした。

桃花ちゃん?

横を向くと、桃花ちゃんが真っ赤な顔して俯いていた。

「あ、で、レポートの話の続きだけど、

星野さんは双子ちゃん達と豊海園がいいんじゃないかな?

あそこは夏、プールがあるしね。あそこの流れるプールの制御もうちなの。

で、順ちゃんは、月人君と富士急アイランドなんてどう?

で、あっと、こちらは?」

マノさんが、桃花ちゃんを見つめた。
< 193 / 205 >

この作品をシェア

pagetop