みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「藤咲さんっ!」
あおいは部屋のドアをばっと開けた。
藤咲さんは、いつものえんび服にエプロンを掛けた姿で、窓をはめていた。
あおいはその姿に、続けて出かかった言葉が宙に飛び、口をぱくぱくさせた。
「あぁ、あおい様。お帰りなさいませ。早かったですね」
藤咲さんは窓を支えながら振り向いた。
あおいは恥ずかしくなって反射的に、目を逸らした。
「……た…ただいま…」
「慌てていたようでしたが」
藤咲さんは 再び窓をはめる作業に戻る。
「そ、そうそうっ」
ドキドキなんてしてる場合じゃないのに、あたしってば!
で でも、どうやって伝えよう?依鶴が藤咲さんを欲しがってると?
それはあたしが依鶴に藤咲さんを渡すのをいやだと言ってしまうのと同じだ。
と、 とりあえず…
「ふ、藤咲さんっ、勝手に部屋に入るのは朝だけにしてくださいよ。掃除くらい、自分でしますもん」
「…申し訳ありません。あおい様は松永のこともあって余裕がないことと思いまして、つい」
藤咲さんの表情は 後ろ姿で分からなかったが、口調からして朗らかだった。
そして、藤咲さんはやっと窓をはめ、振り返った。
「どうしました?暗い顔をして…」