みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部


「あおい様」


移動中の車の中
それも広い車内で、運転手さんとあたし達三人だけの贅沢な空間で、隣に座る藤咲さんが言った。


「…へ?」


藤咲さんの隣でドキドキばっかりしていたあおいは、素っ頓狂な声を出した。


「ショッピング以来の外出になりますが、浮かれてばっかりはいけませんよ」


「…どうして?」


「本日、授業のないぶん、明日にまわりますからね」


「えっ!?そんなっ」

あおいが絶望的に声を上げると、藤咲さんは可笑しそうに微笑む。


「…もしかして、藤咲さん、あたしの反応見てからかってないですか」


「ふ、あおい様の反応は、見てて楽しいですよ」


「ちょっとお!」



藤咲さんはクスクスと笑うのだった。


< 30 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop