みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
着いた先は、
大聖堂みたいなところだ。
「綺麗。像とかステンドガラスも…」
あおいは辺りを見回しながら呟いた。
大きな中庭も、まるで花園のようで、噴水まで見える。観光客も賑わっていた。
…すごいな。すごいな。
日本じゃきっと、こんな雰囲気出せないよ。
「ここは、昔、聖竜が降り立ったといわれる場所でとても神聖なんです。だからみんな、災いから身を守るように、お参りなんです」
「へえ、じゃあ、なんだか日本の神社みたいな所なんですね!お釈迦さまとかいるのかなあ」
「聖竜の使いとされる人間の像がありますよ。とても綺麗に出来たものです」
あおいは、大聖堂入口へ急き込んで早足になると、直ぐに
「あおい様、はぐれてはいけませんから」
藤咲さんが、あおいの手をとり、少し前を歩く。
藤咲さんの、華奢で優しい指。手袋みたいなのをいつもつけているけど。
神聖な大聖堂に、あたしは藤咲さんに手を引かれながら歩く。
心臓の鼓動が
指の先から 伝わっちゃわないかなあ。
そんなことを思いながら、あおいは大聖堂内を見て回った。