みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部


「神聖な気持ちになれましたか?」


ひとまわり歩いてから、藤咲さんはたずねた。


「うん」


神聖っ て言うか、ほんとは
なんだか…
こ、恋人気分?


「では、きっと大丈夫ですね」

藤咲さんは微笑んだ。


あーあ。
なに考えてちゃってんの
あたし!
手汗ばれたらどうしよう。
顔、赤くなってないかな。


「歩き回りましたね、休みますか?」


「あっ、はいっ」


また、緩やかに、
藤咲さんはあたしの手を引く。

そして、人の少ない所の椅子に連れて来てくれた。


あおいが、その高級そうなソファーに座ると、藤咲さんはいつも外出時に持ちあるく黒い鞄をひらき、白色のハンカチを取り出した。


特に気にもとめていなかったあおいは、すぐに気付かなかった。


「あおい様。汗を拭いて宜しいですか?」


……えっ?


……えっ?!


あたし、ドキドキして赤くなって、汗まで……

自分の指で、鼻の辺りを撫でると、ペタペタと汗に濡れていた。
は、恥ずかしい!

「やだっ!あたし、自分で…」


しかし。


次の瞬間、心臓が飛び出しちゃうかと思った。


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