みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部


藤咲さんはあおいの前でかがみ、

あおいの頬に手を添えた。



「…っ!」


間近に、藤咲さんの顔が見える。

ハンカチを持って。


あたしの顔の汗を、丁寧に拭き取ってゆく。


頬が、触れられる藤咲さんの右手が、くすぐったかった。


藤咲さんがハンカチを手に持ってなかったら、キスされるんじゃと思ってしまう。
そんな感じの姿勢だったから、藤咲さんに「顔がほてってますよ」と言われ、またものすごく恥ずかしくなった。


「……汗くらい、自分で拭けるのに」


藤咲さんの指が頬から離れてから、あおいはやっと言った。



「お嬢様という人間と接するにあたり、汗を拭うのは執事の仕事なんですよ」


「分かってるけど…」


あおいは赤くなりながら俯き、触れられた頬のふちに自分の手の平を押し当てた。



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