みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「あっ……」
宮町邸の扉を開けた若い家政婦は、藤咲さんをみて戸惑いの表情を浮かべた。
「あ、どうぞ…おあがり下さい」
「失礼します」
藤咲さんが中へ入ると、奥の部屋から女の声がもれていた。
別の家政婦を叱っているような雰囲気だ。
「あの、すいません、こちらでお待ちいただけますか」
家政婦が藤咲さんを客間へ案内しようとしたとき、奥の部屋の扉が開いた。
そこに依鶴がいた。
「あら…」
依鶴は藤咲さんを見て声をもらした。顔にゆっくり笑みが浮かんだが、そこにいた家政婦をみて怒鳴った。
「ハンナ!どうして先にわたしに伝えないの?」
「…す、すいませんお嬢様」
家政婦は縮こまった。
「…まあいいわ。今回は見逃してあげる。次怒らせたらもうこないで」
「…すいません……」
うなだれる家政婦をよそに、依鶴は藤咲さんに近寄った。
「よく来てくれたのね。あおいからなにか聞いているの?」
「いいえ。ただ先日はあおい様と仲良くされたようで」
「…そうよ、仲良くしたわ。わたし、あおいが好きになったから、あおいの執事、ちょっと拝見してみたかったの……綺麗なお顔立ちね。凛としていて素敵」
依鶴は先程とくるりと表情を変えて、乙女のような柔らかい笑みを浮かべている。