みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「話の途中じゃないの!帰らせないわ」
「依鶴様。先程も言ったように、私は依鶴様の執事にはなれません」
藤咲さんがたしなめた。
やっぱり――
「そんな話してたの」
あおいは呟いた。
「どうして!あの子のほうがいいわけ?」
依鶴の怒鳴る言葉に
「私ひとりで決める話じゃありませんから」
藤咲さんは冷静に言った。
あおいは顔がほころびそうになるのを必死でこらえた。
やっぱり藤咲さんは依鶴の言いなりになんかなるわけないんだもん。
「…なによ」
依鶴は悔しげに顔を歪ませた。泣きそうな顔にも見えた。
「なによ、あなたたちもわたしを裏切るの。紡郎と同じ…同じね、あなたたち」
「あたしたちは裏切ってなんかないよ。依鶴、約束もしてないし決まりもないの」
あおいは思わず言った。裏切り者なんて言われたくなかった。
「あんたには分からないわ!」
依鶴はまた叫んだ。涙声に近かった。
「依鶴…」
「帰ってちょうだい」
きっぱりそう言うと依鶴は部屋のバタンと扉を閉めた。