みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「……」
依鶴。依鶴はあたしと同じだ。
胸がドクンと呻いた。
あおいは藤咲さんを見た。
藤咲さんは眉を寄せて扉を見ていた。
「…藤咲さん」
小声で呼びかけると、藤咲さんはぱっと眉の位置を戻して振り向いた。
「あたし、依鶴と話して来ていいかな…」
「あおい様」
「あたし、なんかくやしい」
あおいはノブに手を掛けた。開いている。扉は開いた。
「依鶴!」
その部屋は、赤い高級そうな絨毯に、椅子が3つ置けるくらいのサイズの白い丸テーブル、小さめでやたらとお洒落な窓がある。…それ以外は何もない。ゴージャスな宮町邸にしてはシンプルで小さな部屋。あまりつかわれてない感じがする。
依鶴はテーブルのそばで立ったまま手で顔を覆っていた。
「気安く呼び捨てにしないでくれない」
依鶴は顔を埋めたまま、咎めた。
「……ねえ」
「なに」
「…聞いてくれる?あたしの話」
控えめにたずねてみた。
「嫌よ。出てって」
「依鶴。顔見せてよ…」
「帰ってって言ってるじゃない…!」