みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「ごめん、でも…」
「わたしに同情でもしてるわけ?ふざけないで。あんたの藤咲執事が待ってるわよ」
扉の向こうで、藤咲さんが待っている。
「依鶴、気を悪くしちゃってほんとごめん…でも、藤咲さんだって依鶴のこと心配してたよ」
あおいは言った。
依鶴は指の隙間から大きな瞳を覗かせた。
「あのさ、あたし…中学生のときさ、友達に裏切られたことがあるの。ずっと昔だよ。あたし虐められっ子でさ、その子はいつもあたしの味方でいてくれて、あたしその子が大好きだった」
依鶴は何も言わずあおいを見ていた。
「あたし達、よく二人で遊んでた。その日も教室で絵を描いて笑ってたんだ。そのとき虐めっ子があたしのとこにきて、絵をみて馬鹿に仕出した。虐めっ子は憎かったけど味方のあの子がいるからわたし泣かなかった。だけど突然……」
あおいは言葉を切った。
思い出していくうち、胸に悲しみがつのってきて苦しくなった。
「…いいわよ言わなくて」
と、読み取った依鶴は掠れた声で言った。
「その味方だった友達が、突然あんたを裏切ったんでしょう」
「……うん。あの子、あたしを庇ってくれてたせいで虐められてたらしくて…それでもう耐え切れないって言ってた」
あおいは息を吐き出した。