みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「だけどね、あたしにはいま、本当に信頼出来る友達がいるんだ。ちゃんと心が通い合ってる大切な友達」
もう依鶴の瞳に涙は無かった。
ただ、その大きな瞳であおいを見つめていた。
あおいはしっかり依鶴を見た。
「…だから!依鶴にだってきっと見つかるのよ。…藤咲さんのことは渡せないけど…」
「そうかもしれないわね」
依鶴の表情は不機嫌そうだが、どことなく口調が穏やかだった。
「お節介ね。あんた。あたしなんかほっておけば良かったのに」
依鶴はわがままで腹立たしいお嬢様。松永さんが好きにも関わらず藤咲さんに目移りして執事にさせようとして。
しかしそれは依鶴がひとりぼっちだから。
依鶴は、昔のあたしと同じような、ひとりぼっちだ。
「あおい」
依鶴は微笑んだ。
「ありがとう。もう帰りなさい」
――ありがとう。
あの依鶴が……。
あおいは目をぱちくりした。