みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
あおいが部屋に着くと、藤咲さんは入り口で中へは入らなかった。

眉をひそめて、珍しい無愛想な顔をしていた。レアモノだ。


あおいを前にして、藤咲さんは息をつくと、頭を下げた。

不快なものをお見せしてしまって申し訳ありません、と。


「………ん」


ううんと言って首を振ったつもりだった。
けれどあおい本体はなにも動かなかった。

「あおい様?」

あおいの魂の抜けたような状態に、藤咲さんは心配げに傾げた。

今、あたしは初めて藤咲さんと離れたいと思った。ひとりになりたかった。

見たくなかった。
見たくなかったよ。

悪魔のような依鶴。
あの黒い微笑みはなんなの。


藤咲さんがあおいを見詰めても、あおいはずっと目をそらしていた。

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