【妖短】 カ ミ カ ク シ
確か今は海外だったかに行っていた筈だが、帰って来たのだろう。

「……取り合えず入れば?お茶出すし」

そう言って俺は奥―部屋に向かった。
紗羅姉もしぶしぶといった体で付いて来た。

取り合えず、俺はコーヒーを出す。
紗羅姉はと言うとキョロキョロと辺りを見回していた。

「……なぁ、環よ?お前は凛と一緒に住んでいたのではないのか?」

「…………………………………………は?」

俺はこれしか声が出せなかった。

「な、何を言い出すんだ?紗羅姉、俺と凛はそんな関係じゃ無いんだけど」

一体、紗羅姉は何を勘違いしているのだろう。

「何!?私はてっきりお前達は付き合ってるものだと思ってたんだぞ。それで恐らくお前が凛に何かして凛が出て行ったと思ったんだが……違うのか」

素晴らしく、何も真実が無い。
幾ら海外だったとしても、日本に帰って来てから何も見ていないのだろうか。
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