愛し君へ…


そっか。
俺は響から、何よりも大切なものをもらったんだ。




「響ちゃんは竜に、素直になる強さをくれた。

そうだろ…?」



「ああ、そうだな…」




そして俺は笑ったんだ、久しぶりに。




「じゃあ、これからすること…もう分かったよな?」



「ああ、魁…ありがとな?

お前がいてくれて、ほんとによかったよ」




魁は軽く頷いて、俺に背を向けて屋上から出て行った。
俺はもう一度、空を見上げた。


響、君のおかげで俺は強くなったんだよ…





「ありがとう、響。





愛してる。
今までも、そしてこれからも―――…」



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