優しく撫でる嘘。
そんな日々は続くはずないと思っていました。

しかし、彼は外出をすることなく過ごしているのです。
まるで外出する習慣が元から無かったかのように。

私はそんな彼を見て安心していたのですが、彼が時折悲しそうな顔をしているのに気づきました。

もしかしたら自分がこの世に居てはいけない存在だと気づいてしまったのではないかという不安が私の頭を駆け巡りました。

私は不安を隠して彼の横に座り、身を寄せると笑顔で迎えてくれました。

私の不安の気持ちが吹き飛び空の彼方に飛んで行きました。

それから、二人で夕食を済ませて暖かい時間を過ごしました。

三時間ほど経過した頃に彼は優しい呼吸を繰り返し、愛しい寝顔で寝てしまいした。

私は、うっとりしながら彼の寝顔を見ていました。

そんな時でした。
ベットの下に何かが置いてあるの気づいたのです。

それは少しの大きな木製の箱でした。

私はその箱の横にあった写真を少しの間ですが眺めておりました。





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