幕末〓冷血の鬼
「恋花。俺だ。」


恋花の部屋の前に着き声をかけたが返事が無い。


襖を開けると恋花は父の形見の刀をジッと見ていた。


「恋花!おい恋花!」


「え……土方さん!」


やっと俺の存在に気づいたらしく恋花は目を丸くした。


「大丈夫か?」


「はい。」


恋花はそう言って笑顔を作ろうとしたが目から涙が流れていた。


俺は小さく震えている恋花を抱きしめた。

「すいません。昔のこと思い出して…」
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