幕末〓冷血の鬼
「歳、まさか…」


「ああ。裏をかかれているな。」


近藤さんは俺の言葉に眉を寄せた。


「だが歳、我々は会津藩からここを守るように仰せつかっている。ここから移動するわけにはいかない。」


「しかし、近藤さん。」


「わかってるさ。だがな歳、ここを捨てるわけにはいかない。」


近藤さんの言葉に俺は諦め、持ち場に戻った。


しばらくすると遠くから銃弾の音が聞こえてきた。


「始まったな。」


「土方さん、あっちの方角から聞こえます。」


耳の良い総司は森の方を指で指した。
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