幕末〓冷血の鬼

伊東との出会い

山崎さんに医学の事を勧められてから私は、小姓の仕事が無い時には書物を蔵から引っ張り出し、部屋に持って行って読んでいた。

今日も、蔵から書物を運んでいると廊下で誰かと当たってしまった。


「すいません!………あれ?」


謝りぶつかった人の顔を見たが初めてみる顔に私は首を傾げた。


「あら、こんにちは。あなたが恋花ちゃんね?」


(女言葉、それに私の名前をどうして……?)


状況がよめず頭を混乱させていると、廊下の奥から近藤さんが走ってきた。


「伊東先生!探しましたぞ!」


(伊東先生!?)


近藤さんの呼び方を聞いて私はますます混乱した。
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