幕末〓冷血の鬼
「えっ?」


「今までは誇り高い武士を目指して私達は、戦ってきた。でも今は、幕府の犬に成り下がった気がして仕方がないのです。」


「それは………」


私が黙り込むと山南さんはいつもの優しい笑顔を私に向けてきた。


「すいません。困らせてしまいましたね。」


山南さんは、そう言うと部屋に戻ってしまい、それから新選組の不安を私に話する事は無かった。




そして今、山南さんは新選組を脱走した。

(私がもっと山南さんの気持ちを聞いていたら………もっと相談にのっていたら……)


悔やんでも悔やみきれない気持ちを抑え込み私は馬を走らせた。
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