幕末〓冷血の鬼
「それでも桂さんが女装してるなんて思いませんでしたから。」


桂さんは、私がそう言うとクスッと笑った。


その姿は、女の人より色気があり美しかった。


しかし、前会った時より痩せていてよく見ると目の下には隈が出来ている。


「恋花さん、坂本君の事はもう知っているね?」


「……はい。龍馬さんがこんな早く亡くなってしまうなんて思ってもいませんでした………。」


「そうだね………。」


「あの、高杉さんは元気ですか?」


私がそう聞くと桂さんは俯いてしまった。

「晋作は死んだ………。」


私は桂さんの言葉に目を見開いた。
< 388 / 627 >

この作品をシェア

pagetop