幕末〓冷血の鬼
俺はそれから総司の部屋に向かった。


総司は月に何回か寝込むようになり出陣出来る状態ではなかった。


「総司、俺だ。」


「土方さんですね。どうぞ。」


総司に言われ部屋に入ると、総司は寝たまんまで顔だけ俺の方を向いた。


「明日、行ってしまうのですよね。」


「ああ。」


「私もこんな体でなければ土方さん達について行けるのに……。こんなに自分の体を憎いと思ったことはありませんよ。」


総司はそう言うと自嘲ぎみに笑った。
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