幕末〓冷血の鬼

大阪へ

「………さん。土方さん!」


ハッとして隣を見ると恋花が心配そうに俺の顔を見ていた。


「土方さん、部屋に戻って少し休んでください。まだ船は大阪に着きませんから。」


「いや、俺は起きている。恋花、お前は休んでろ。怪我人の手当てでろくに休んでないだろ?」


あの負け戦の後俺達は、船で大阪に向かっているところだった。


恋花には、看病役として怪我人の手当てをずっとしてもらっている。


「大丈夫ですよ。私は元気ですから。」


そう言って笑顔を俺に笑顔を向けるが目の下には隈があり明らかに疲れきった顔をしている。
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