幕末〓冷血の鬼

山崎side

「山崎さん話って何ですか?」


土方さんが出ると恋花さんは首を傾げてきた。


「俺はもう長くない。恋花さん、俺の部屋に隊士達の体調を書いた冊子がある。それを恋花さんに持っておいてほしい。」


俺がそう言うと恋花さんは驚いた顔をした後、目に涙を浮かべた。


「何を言ってるのですか?山崎さんがいなくなったら皆悲しみます。」


「いや、俺は隊士とあまり関わりを持っていない。怪我の治療をするくらいで後は俺は屯所に居なかったからな。」


「そんなこと無いです!皆、山崎さんには感謝してるんですよ!いつも丁寧に治療してくれるって……。」


俺は、手をゆっくり動かして恋花さんの涙を拭った。
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