幕末〓冷血の鬼
「治すんだ。そんな弱気じゃ治るもんも治んねえぞ?」


俺はそう言って総司の細い背中に腕を回し優しく抱きしめた。


「これなら泣き顔が見えねえだろ?泣きたいだけ泣け。」


「………っ。うっ……。」


総司は声を押し殺して俺の裾を掴んで泣いた。


「大丈夫だ。労咳は治る。そしてお前は新選組に戻るんだ。」


俺がそう言うと総司は、俺の腕の中で小さく頷いた。


「焦らずにゆっくり治せ。」


「………はい。」


俺は総司を布団に寝かせ屋敷に戻った。
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