幕末〓冷血の鬼
「近藤さん、あいつの墓参りに行ってくる。」


江戸に来てから怪我の治りが早くなった近藤さんは、鳥居丹後守に帰って来ていた。

「そうか。忙しくてずっと行ってやれなかったからな。行って来なさい。ちょっと待ってろ。」


近藤さんは、そう言って居なくなりしばらくすると戻って来た。


「これも、苗ちゃんに持って行ってあげてくれ。」


近藤さんがそう言って渡したのは、金平糖だった。


「ああ。ありがとう、近藤さん。恋花、行くぞ。」


「はい。」


恋花は理解できていないのか不思議そうな顔をして付いて来た。
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