幕末〓冷血の鬼
「寝たのか……。」


恋花の細長い髪に触れ頭を撫でると恋花はフニャと笑い頭を俺の手にすり寄せてきた。


(これじゃあまるで猫だな。)


クスッと笑みがこぼれるくらい猫の姿に似ていた。


寝ている恋花は体を小さく丸めて気持ち良さそうに眠っている。


起こすのも忍びないと思った俺は、布団をかけてやった。


俺は再び机に向き仕事をした。


息抜きをしろと恋花は言っていたが、俺はちゃんと息抜きをしている。


恋花が近くにいるときの時間こそが俺の息抜きの時間なのだ。


新選組の事で頭を抱えていても恋花の近くにいるときは、気が楽になる。


恋花の近くにいると張り詰めている気が緩む。
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