幕末〓冷血の鬼
「っ………コホッ…コホッ…」


「おい、大丈夫か?」


酒がきつかったのか咳き込む恋花の背中をさすると少しずつ落ち着きを取り戻してきた。


「おい、大丈夫か?……うわっ!」


反応が無く様子がおかしいと思い顔を覗きこむと恋花にガシッと顔を掴まれてしまった。


「れっ………恋花?」


「お酒ちょうらい。」


「……あ?」


(こいつ酔ってるのか?)


顔を掴まれたままの俺は目だけを動かし恋花を見ると、目が潤んで頬は赤みを帯びている。


俺が酒をよこさないのに気分を悪くしたのか、恋花は眉にシワを寄せた。
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