幕末〓冷血の鬼
「らに、ひりかたさん。わたひにお酒くれないんれすか?」


明らかに舌っ足らずな恋花のしゃべり方に小さく息をつくと、恋花は急に顔を近づけてきた。


「なっ!!?まっ………待て!恋花!」


恋花から顔を離そうとするが恋花は俺の顔から手を離さない。


恋花なこともあり、突き飛ばすことも出来ない。


力ずくで怪我をさせたくない。


「ひりかたさ~ん。」


そうこう考えるうちに恋花の顔は、すぐ目の前にある。


「れっ……ん………。」


声を出したが遅く恋花はゆっくりと顔を近づけ俺の唇にチュッと自分の唇を重ねた。
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