幕末〓冷血の鬼
「何だ?」


俺がそう言うと、恋花はためらいながら「追い出されると思った。」と言った。


恋花の父の憎き敵でもあり、鬼とも呼ばれる俺だが、恋花にそんなふうに見られてると思うと正直胸が痛んだ。


「お前、俺をどういう奴だと思ってるんだ?まあ俺はお前の父の憎き敵だけどよ。俺は、無駄に人を傷つけねえぞ。」


「そうでしたね。あっ!」


子猫は、恋花の腕から逃れ遠くに走って行ってしまった。
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