ありのままのあなたでいい
第4章 家庭への復帰

摂食障害との戦い

仕事はできるようになりましたが、
それと同じくらい生きていくために
必要だったことがあります。
それは食べることでした。 

うつ症状以上に、
ひどい摂食障害になっていた私は、
水を飲むことにも不自由を感じていました。


食べるものを 
目が拒否するような状態でしたから、
自分では、
買い物や料理を作ることもできませんでした。



ちょうどその頃、
実家の両親が近くに引っ越してきました。
母は車椅子の障がい者でしたが、
私の家の近くのバリアフリーの福祉住宅が
当たったのです。



元々ふっくらしていた私が、
ガリガリになっていくのを見かねて、
せっせと食事を作っては食べさせてくれたのです。

母が作るものは、
小松菜の煮浸し、
若ごぼうの炒め煮、
焼きなす・・・

やさしくて懐かしい食べ物は、
不思議とのどを通るのでした。
最初は一口、二口食べては、残していたものも
次第に おかず一皿、ご飯一膳になっていきました。



幼い頃の私を育てた味は、
私に食欲を取り戻させました。
徐々に戻った食欲は今ではすっかり元通り。
体重は超回復(?)です(笑)



食べられない苦しみを体験した私は、
食べられることがどんなに幸せで、
大切なことだと、
今まで以上に思うようになりました。



食べ過ぎても太るだけだけれど、
食べられないと死ぬのですから。


 
命は「食」でつなぐということ、
こんな当たり前のことに
深い感謝をするようになったのです。
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