【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
すると、茜は不安そうな顔で

「でもあそこの公園、幽霊が出るって……」


「そんな迷信、嘘に決まってんだろ? 俺は幽霊とか化け物とか、非科学的なものは信じないんだよ」

「お父さんはヴァンパイア研究の第一人者なのに?」

「その話はするな!」


会話を遮り、幽霊が出ると有名で、殆ど人が寄りつかない公園に、嫌がる茜を無理矢理引っ張り入っていった。


全く、ヴァンパイアだの魔物だの、物語が作った架空の生き物に、よく親父は飽きもせず研究していられるものだ。


俺は非科学的なものは大嫌いだ。ヴァンパイアなんて生き物がいたら見てみたいね! 


そんなバカげた生き物を研究する仕事に就いている親父のことが恥ずかしくて仕方なかった。


親父のことが話題にのぼる度、俺はいつも不快な思いをする。


親父と一緒にされたんじゃたまらない。


ついでにロマンチストで、いつまでたっても夢見る乙女ちゃんな母さんも。




二人共、仲がいいのは好ましいとは思うが、もうちょっと現実を見て生きてほしいよ……
< 10 / 37 >

この作品をシェア

pagetop